第34回全国病児保育研究大会

会頭挨拶

横井小児科内科医院
病児保育室こりすの里

横井 透

横井小児科内科医院 病児保育室こりすの里 横井 透

 2024年7月14日(日)、15日(月祝)の2日間にわたって、「第34回全国病児保育研究大会in金沢」を開催します。開催地は金沢ですが、北陸三県大会として、石川県、富山県、福井県の病児保育関係者が結集し準備を進めています。
 会場は金沢駅前の施設を使用します。東京からは新幹線で2時間半。2024年の春には北陸新幹線が敦賀まで延伸されるため、関西からも少し来場しやすくなります。
 全国病児保育研究大会は、もともと病児保育室に勤務する保育士さんと看護師さんの研修の場であったと聞いています。その方針にそって、今回の大会のコンセプトを「原点に戻る・基本を大切にすること」とし、副題を「みつめなおそう、私たちの保育看護 ~病児保育で守りたいもの~」と致しました。病児保育に携わる保育士さん、看護師さんたちがこの仕事を選んだときの気持ちを思い出して、それぞれの専門性を高め、誇りをもって業務にあたることができるようにプログラムを企画しました。
 講演では、愛着、保育看護、発達障害、乳幼児の心肺蘇生、けいれんと病児保育で欠かせないテーマについて研修して頂きます。また、金沢出身の絵本作家のひらぎみつえさんに絵本に対する思いをお話し頂きます。ワークショップでは、保育看護記録の記載、製作や手遊びを利用した保育の展開、感染防御の基本実習など、保育看護の基礎を押さえていくという意味で日常業務に役立つものを中心に企画しています。
 茶道の心得の利休百首に「その道に入らんと思ふ心こそ、我が身ながらの師匠なりけれ」、また「稽古とは一より習ひ十を知り、十よりかへるもとのその一」という歌があります。手前が上手になっても基本に帰ることが大事なように、病児保育を志した時の気持ちを思い起こして業務を続けていくこと、そして、毎日の保育業務に慣れてきても初心に帰ることが必要と考えます。今こそ原点に戻り、子どもの発達と安全を保障する病児保育の基本をきちんと押さえることが大切ではないでしょうか。
 観光都市金沢では、加賀百万石で保護されてきた食や工芸、芸能文化が大切にされています。食事やお菓子は地元の食材に恵まれ、茶懐石で培われた金沢の特色があります。また、土曜日の午後に兼六園横の県立能楽堂で観能の夕べが開催され、誰でもリーズナブルに能を見ることができます(検索:金沢能楽会)。兼六園は夏季には朝4時から7時前まで無料で入園が可能です。朝食前に涼しい静かな兼六園の散策はいかがでしょうか。
 是非金沢までお越しいただき、研修を楽しんでいただくとともに金沢の文化と食でリフレッシュして気持ちを新たに明日からの病児保育業務に励んで頂きたいと思います。

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